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社労士

さあ会社を退職!!国民年金の支払いは、どうする?【国民年金:退職(失業)時免除申請とは?】

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会社を退職した時、すぐに次ぎの転職先の会社が決まっている場合は問題ありませんが、次の会社がまだ決まっていない、又は士業、起業等開業予定の場合は、今まで厚生年金に加入していたものが、国民年金の加入となり、国民年金保険料を支払わなくてはならなくなります。

国民年金保険料は16,590円/月当たり(年間で199,080円)(令和4年度)となりますので、
(もし配偶者がいた場合、この2倍の33,180円/月当たり(年間で398,160円)(令和4年度)となります)
(ええ~~!!? 2人分で、3万円以上するの~~?!!)

退職したばかりで収入がない時は、非常に苦しい出費となります。(雇用保険の失業給付もすぐに受給できるというわけではありませんので)

国民年金保険料は高いしお金もないから、払わないと言うわけにもいきません。
(しかし、お金がない)

ここで利用したいのが、「国民年金の退職(失業等)による特例免除」と言う免除申請制度です。

よって、社会保険労務士の扱う分野でもある国民年金法から、ここで「国民年金の退職(失業等)による特例免除」と言う免除申請制度の利用方法、メリット・デメリット、注意点等について解説していきます。

この様な方へ向けて、参考になれば

・会社を退職して、国民年金加入となったが、保険料があまりにも高いと思っている方
・会社を辞めて、独立開業して、国民年金加入となったが、まだ十分な収入を得ていない方
・国民年金保険料がもっと安くならないかと思っている方
・国民年金の失業時の免除申請について詳しく知りたい方

 

黒ねこ
黒ねこ

会社を辞めました。まだ次の転職先が見つかっていません。

国民年金加入となったので、先日国民年金の納付書が届きました。
いついくらもらえるかもわからなくなってきた年金の保険料なんて払わなくてはならないの?
お金もないしどうしようか悩むよお~~!?

しま丸ねこ
しま丸ねこ

ちょっと待った!!
国民年金に加入して、保険料を払うことは重要なことだよ!倫理的なことだけでなく、コスパの事でも言えることなんだよ!
ただし、保険料を払えるお金がないなら、「国民年金の退職(失業等)による特例免除」と言う制度があるので、それを利用するといいよ。
よし、じゃあ、僕がこれから「国民年金の退職(失業等)による特例免除」と言う免除申請制度について解説しよう!

 

国民年金とは?

国民年金

黒ねこ
黒ねこ

さ~て、「国民年金の退職(失業等)による特例免除」と言う免除申請制度を利用するか!

しま丸ねこ
しま丸ねこ

ちょっと待って!その前に国民年金のことを簡単に説明するよ!

黒ねこ
黒ねこ

そもそも国民年金って加入する必要あるの?

国民年金は、原則として、20歳以上60歳未満の全国民が強制的に加入する制度です。
(まあこれだけで、加入する必要があるの?と言う疑問の答えになっていますが)

また、多くの人がよく勘違いしているところだと思いますが、
国民年金は加入者が歳をとって働けなくなった時にでる給付(老齢年金)をするだけではありません。

他に、
加入者が死亡した時に遺族にでる給付(遺族年金)
(まあ亡くなってしまった本人自体には関係ないかもしれませんが)

加入者が障害を負った時にでる給付(障害年金)
(特に生きている本人に非常に関係する給付です)
があります。

あまり細かく説明すると長くなってしまいますので、ポイントだけの説明となりますが、

老齢年金等は結構遠い将来に給付されるものなので、実感がわきませんが、
障害年金等の障害とは、イメージ的には身体的怪我や外傷(手足一部欠損等)と思いがちですが、精神的な障害(例えば、結構身近な「うつ病」等)の場合にも適用する場合があります。
又、身近な病気(人工透析、人工弁、人工肛門、脳血管疾患等)により障害を負った場合も含まれます。

このように「いついくらもらえるかもわからなくなってきた年金なんて」とは言っていられなく、結構身近な病気等でお世話になる可能性があるものです。

しかし、加入してない=保険料を払っていなければ、いざという時に給付されません。

 

しま丸ねこ
しま丸ねこ

「民間保険に入っているから老齢年金・病気・怪我も大丈夫なので、別に国民年金いらなくない」という風に言う人もいますが、
国民年金の老齢年金には国庫負担が給付金の1/3~1/2あり、民間の保険よりぜんぜんお得となっています。

 

国民年金の退職(失業等)による特例免除の申請

免除

今までの説明から国民年金の加入は「国民の義務だから加入しなければならない」、だけでなく、自分自身のためにも加入しなくてはならないものということがわかったと思います。

しかし、保険料が高い、会社を辞めたばかりでお金がない等加入したくても加入できないことがあると思います。

そこで、この「国民年金の退職(失業等)による特例免除」申請なのです。
では、以下この免除申請制度の説明をしていきます。

対象者

会社を退職(失業等)して、国民年金の納付が困難な人。
(雇用保険の被保険者であった人や事業の廃止(廃業)又は休止の届出をしている人が当てはまります)

審査

免除申請をした場合、前年の所得が確認され、本当に支払いが困難かどうか審査されます。
会社を退職(失業等)した時にする特例免除申請は、申請者本人の前年の所得がゼロとして所得審査されます。
しかし、世帯主、配偶者がいる場合は、各々の所得が審査され、所得基準に見合う免除で認定されます。

しま丸ねこ
しま丸ねこ

前年の所得がゼロとして所得審査されるので、独身で自立している人だったら、ほとんどの人が審査に通ると思いますよ。

参考までに、所得基準表となります。

免除申請所得基準
全額免除 (扶養親族数+1)x 35万円+32万円
4分の3免除 88万円+扶養親族控除額+社会保険料控除額等
半額免除 128万円+扶養親族控除額+社会保険料控除額等
4分の1免除 168万円+扶養親族控除額+社会保険料控除額等

*前年の所得が対象となります。

もし世帯主、配偶者の所得が全額免除の条件を満たさず、他の4分の3免除等に該当するならば、申請者は全額免除にならず、その他の4分の3等の免除となります。

 

保険料納付免除期間

退職(失業)等した日の属する月の前月から翌々年6月まで申請可能。
(1枚の申請書で申請できるのは、7月から翌年6月分(1月~6月に申請したときは、その年の6月)分まで)
(必要に応じて、年度ごとに申請書の提出必要)

例えば、2023年1月からなら、最長で2025年6月までの2年半の間が免除申請可能となります。

 

免除等申請期限

基本的に、すみやかに提出することですが、
過去2年分(通常申請日の属する月の2年1ケ月前まで)に遡り、申請可能です。
(すでに保険料納付済の月を除く)
(退職(失業)等した月が2年前までならば、申請可能)

ただし、早く申請しないとその期間が未払い(未加入)期間となり、障害基礎年金等が受給不可となってしまいます。

 

申請先

申請書を下記へ提出
・住民登録をしている市(区)役所又は、町村役場の国民年金担当窓口。

 

必要書類

・基礎年金番号通知書のコピー又は、年金手帳(氏名の記載ページ)のコピー等。

 

雇用保険の被保険者であった人の場合は追加して

・失業していることを確認できる公的機関の証明の写し。
*例として以下の書類のどれかとなります。

参考例

・雇用保険受給資格者証
・雇用保険受給資格通知
・雇用保険被保険者離職票
・雇用保険被保険者資格喪失確認通知書等

 

事業の廃止(廃業)又は休止の届出をしている人の場合は追加して

・厚生労働省が実施する総合支援資金貸付の貸付決定通知書の写し+その申請時の添付書類の写し他。
*他書類数種

 

いくら免除されるか?

全額免除の場合、全額免除とは言っていますが、ここで勘違いしてはいけません。この期間まったく保険料を払わないで、後の老齢年金が満額もらえると言うわけではありません。

全額免除の場合、給付される保険期間の老齢基礎年金額の計算は、保険料が納付された場合と比較して2分の1(平成21年3月分以前は3分の1)となります。

*障害年金、遺族年金の場合は、全額支給対象期間となります。
*他の一部免除の場合もそれに応じた減額率で老齢基礎年金が給付計算されます。

追納

免除された保険料は、10年以内であれば、納付(追納)可能です。
・老齢基礎年金を給付されている場合は、追納不可。
・免除の承認を受けた期間の翌年度から数えて3年度目以降に追納をする場合は、当時の保険料に一定額が加算されます。

 

メリット・デメリット

メリット
・退職(失業)したばかりで、お金がない時には、一時しのぎになります。
・過去未納だった2年分も免除される可能性がある。
・遺族年金、障害年金が未納扱いで支払い不可となることを防げる。
・将来再就職するか、ある程度収入が増えてきたら追納すれば、老齢基礎年金が満額もらえる様になります。

追納した場合の費用対効果は、
条件:2年半だけ全額免除、それ以外の期間(20歳~60歳まで)は全納とする。
・追納した場合:777,800円(満額の老齢基礎年金額(令和4年4月から))
・追納しなかった場合:753,494円
(計算式は、777,800x((450+30X0.5)/480)
追納した分の費用は何年で回収できるか
追納した費用:16,590円(国民年金保険料)x30月=497,700円
満額給付金と追納しなかった場合の給付金の差額:24,306円
費用回収年数:497,400÷24,306≒20年
よって、65歳からの支給ならば、85歳から費用を上回る支給となります。

デメリット
・免除されるが、のちのちの老齢基礎年金が減額となってしまいます。
(追納しなかった場合)
・老齢基礎年金を満額もらうには、追納しなくてはならなりません。

 

注意点

・免除申請をしないで、未払い扱いになっていると老齢年金が支給されないだけでなく、遺族年金、障害年金も支給不可となります。
・免除申請しないで、何もせず、納付していないと督促があり、滞納延滞金もプラスして払うことになります。それでも払わないと財産の差し押さえとなります。

一部免除の場合、申請しただけでなく、実際に一部納付をいつしたかで、障害年金の要件に該当するかが決まるので、納付することが重要です

 

他の免除について(参考までに)

国民年金保険料の免除関係図

免除関係図

他の国民年金保険料の免除には、下記のものがあります。

1.産前産後期間の保険料免除
・出産時に関わる免除。

2.法廷免除
・障害年金受給権者に対する免除。
・生活保護法の生活扶助を受ける時の免除。
・指定施設に入所している時の免除。

3.申請免除
・収入減少に対する申請免除。
失業等に対する申請免除(今回説明した「退職(失業等)による特例免除」のこと。
・天災その他の事由による申請免除。

4.学生納付特例(全額免除)
・学生期間に対する免除。

5.納付猶予(全額免除)
・50歳未満の人(主に若年層や非正規雇用労働者に対して)に対する免除。

 

まとめ

退職した場合、厚生年金から国民年金への変更手続き時に、窓口で免除の説明を受け免除のことがわかることになると思います。
しかし、事前に退職後にかかる費用や、免除により避けられる費用について、知ることは大切な事ではないでしょうか?
他にも免除申請が色々あるのでわかりずらいので、
今回退職(失業)時の免除申請にしぼり説明しました。

参考になれば幸いです。

(参考サイト:Webサイト名:日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」2023年1月)

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