自分の子供が20歳になって、学生でまだ働いていなくて、国民年金の納付の案内が来たときに、お金がないので払いたくない、いや、払わないと考えたことはないでしょうか?
でも、本当にお金がないからと言って、国民年金を払わなくてよいのでしょうか?
まあお金がないものは払えないのでしょうけど・・・
その様な場合は、申請すれば免除してもらえる制度があります。
その制度を活用するのはどうでしょうか?
そこで、社会保険労務士である私しま丸ねこが、国民年金法に絡め、この年金問題について、解説していきます。
この記事を読むと国民年金を納付しない場合どんな問題になるかと、国民年金の免除制度の一つ学生納付免除についてがわかります。
・国民年金を支払わないとどうなるか知りたい方
・そもそも国民年金を支払わないとダメなのか知りたい方
最近、子供が20歳になり国民年金の納付案内が来たのだけど、まだ子供は学生なので収入がないため、納付をどうしようか迷っているんだけど・・・
国民年金を納付しないでほっとくと大変な問題になるよ! 学生なら免除制度があるからそれを利用するといいよ!
学生でも国民年金を納付しないといざというときに困る(問題になる)ので、免除申請制度を利用する
困る(問題になる)とは?
→無年金問題が発生する
免除申請制度とは?
→学生納付特例制度がある
では、それぞれ解説していきます。
無年金問題とは?
年金制度は将来老齢した時に給付される老齢年金だけでなく、自分が事故による怪我や病気で障害を負った場合、障害年金が支給される制度があります。
無年金問題とは、もし年金を未払いにしておき年金の加入済み期間と認められず、その期間に障害を負った場合、その障害年金が支給されなくなる問題のことです。
学生納付特例制度とは?
学生本人の前年所得が128万円以下の場合、申請により保険料の後払いができる保険料納付猶予制度のことです。
対象となる学生は、大学、大学院、短期大学、高等学校、高等専門学校、専修学校、各種学校その他教育施設の一部に在学する学生等で、夜間部、定時制課程、通信制課程の学生も対象です。
免除承認対象期間は、4月~翌年3月までで、毎年申請が必要になります。
又、この免除承認期間は、年金受給資格期間には参入されますが、老齢基礎年金の年金額計算期間には反映されないため、反映させるには、後で追納しなくてはなりません。
(追納有効期限:直近10年以内)
学生でお金ないなら、国民年金免除申請
年金を未払い状態にしておき、もし障害を負った場合の問題を解決するためには、国民年金の納付、お金がないなら、免除申請をすることですね。
学生時代にお金がなく年金の免除申請をすることになっても、社会人になりお金に余裕ができてきたら、将来の老齢年金を増やすためにも追納は大事です。
無年金問題の具体例
判例:学生無年金訴訟事件
昔は学生時の国民年金の加入は任意でした。そのため、加入しなかった人が多く、学生時代に障害を負っても障害年金が支給されないため、学生無年金問題が発生したのです。
1.初診日に学生で国民年金未加入のため、障害年金不支給決定となった
→不支給決定取消しと国賠訴訟を提起
2.20歳前に初診日があれば20歳前障害として障害基礎年金の受給可なのに、20歳後の初診日で受給不可となるのは平等権を保障する憲法14条1項に違反する、学生を国民年金強制加入にしなかったことは憲法25条違反、何ら救済措置も講じなかったことは違法と主張
3.最高裁は主張を認めず
・国民年金制度の具体的立法措置の選択決定は、立法府の広い裁量にゆだねられている
・著しく合理性を欠き明らかに裁量の逸脱、濫用とみざるを得ないような場合や何ら合理的理由のない不当な差別的取扱いをするときにはそれぞれ憲法25条、14条違反となりうるとの基準を立てる
・20歳以上の学生を任意加入としたこと、強制加入の被保険者とする措置を講じなかったこと、任意加入しなかった無年金者のための立法措置を講じなかったことは、著しく合理性を欠くといえない
・20歳前後で差異が生じても不当な差別的取扱いであるとはいえない
参考:障害基礎年金不支給決定取消等請求事件 最二小判平19.9.28
まとめ
国民年金保険料の免除関係図
上記免除関係図の学生納付特例制度を説明しました。
いずれにしろ、学生でも年金保険料を納付しないと
・困る(問題になる)→無年金問題
という問題があり、
お金がないなら、
・免除申請→学生納付特例制度
という制度があります。
参考になれば幸いです。
参考文献:
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社会保険労務士です。
2022年9月に登録しました。
行政書士は登録準備中です。
まず副業から始めて、士業開業を目指していきます。
ブログも始めました。
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